全資本に対する利益

全資本に対する利益をあらわす各社の総資本収益率をみても、トヨタは36年度13・32、38年度14・25、40年度9・95、42年度16.22ともっとも高く、日産が、販売部門を独立させている上記トヨタとちがって、生産、販売部門を共有しているため、やや低く同年で7・81、8・92、4・89、5・70を示しました。


中古車検索で見てみると、ダイハツ、東洋工業がやや日産に近いほか他の各社は一様に低く、ただ軽四輪の生産を開始した本田と鈴木が、二輪車の寡占的利潤をもとに日産をおいあげました。

各種利益を中心

自他の資本額の推移から、トヨタ、日産両社を軸とし、これを追う各社の設備投資は、いうまでもなく借入金を中心とした他人資本で調達されたが、トヨタ、ダイハツでは、他の会社にくらべる各種利益を中心とした自己資本でその多くをまかなった。


事実、中古車情報でみると、自己資本構成比は42年度下期では、トヨタ43%、ダイハツ36%を除き、他の各社では、20~25%をしめたにすぎなかったのです。


加えて使用総資本収益率(利益を総資本で割ったもの)をみれば、上記の自己資本の多少が各社の経営内容の改善に非常に寄与したことがわかります。

各社別自己資本額の推移

各社別自己資本額の推移や中古車情報をみれば、トヨタを先頭に目産、東洋工業、いすづ、ダイハツ、本田の順に増額されました。


自己資本額でもトヨタ、日産の優位は明らかで両社とも1000億円以上に達しました。


だが各社別他人資本額をみれば、設備投資で最大を誇るトヨタが意外に少なく日産、東洋工業、トヨタ、いすづ、本田の順となります。


他人資本とは、支払手形、買掛金、納税引当金、引当金、長短期借入金、社債、その他の流動、固定負債を意味し、42年度下期の日産の他人資本額3147億円の内わけをみれば、支払手形、買掛金413億円、短期借入金1105億円、納税引当金77億円、引当金195億円、社債172億円、長期借入金515億円、その他の流動、固定負債670億円となるから、他人資本は借入金の多少で左右されます。

影響をおよぼした

売上高で半ば以上をしめたトヨタ、目産を比較すれば、売上高で日産が第1位をしめたものの、利益、社内留保額ではトヨタが日産をしのぎました。


このような各社別でことなる売上高純利益率、さらに利益金額、社内留保額の相違は、各社の自己資本の蓄積の相違をもたらした。


自己資本が資本金、新株等の払込金、資本剰余金とともに利益準備金、諸任意積立金、前期繰越金可処分純利益からなりたつからです。


中古車情報によると、42年度下期のトヨタの自己資本の1036億円の内わけをみれば、資本金の382億円、資本剰余金の37億円に対し利益準備金は72億円、諸任意積立金は47億円、前期繰越金は28億円、可処分純利益は109億円におよんだから、利益とその準備金の多少が自己資本の増額に大きな影響をおよぼしたことがわかります。

売上高と利益を増加

中古車の検索をしてみると、売上高と利益の関係を売上高純利益率(税引後利益を売上高で割ったもの)を示す情報をみれば、いっそうはっきりする。


トヨタは7~9%、日産は5~6%、また東洋工業も5~7%をしめて高く、これらの会社は売上高が伸長すれば利益、さらに社内留保額をいっそう増加させ、またやや規模は小さいもののダイハツも5~7%、日野も4%以上、鈴木も4~5%をしめて売上高と利益を増加させました。


これに対しいすづ、プリンス、富士重工は逆に売上高純利益率が減少し、売上高が伸びても利益がともなわず、愛知機械では上記利益率が低く売上高も利益も低水準にとどまりました。

利益をあげ資本を蓄積

日産、プリンスの合併の行われた翌42年度下期の社内留保額では実に6割以上に達しました。


これは、利益準備金、任意積立金、繰越金からなる社内留保額が同年度の設備投資額にしめる地位(47.3%)以上、すなわち、他の会社以上に利益をあげ資本を蓄積したことをものがたる。


中古車情報によると、36年度には第3位をしめた旧許可会社いすづが、乗用車部門への進出に失敗して伸び悩み、東洋工業が売上高、利益、社内留保額を含めて3位に躍進し、いすづ、本田、ダイハツ、鈴木とつづいたそうです。

前回からの続き

こんにちは。前回からの続きです。


時間的に早く大規模に設備投資した会社が、しからざる会社にくらべいっそう有利な立場にたち、雪だるま式に巨大化したのでした。


中古車情報で見ると、36年度から42年度にかけて会社別に売上高利益、社内留保額をみれば、トヨタ、日産両社で半ば前後をしめました。


貿易の自由化にそなえ、軽乗用車が生産されはじめた38年度の売上高、社内留保額は、40年度の売上高で4割台に下落したものの、他の年ではいずれも5割前後をしめ続けました。

経営格差拡大のメ力ニズム

トヨタ、日産とこの二・三輪メーカーを除くいすづ、三菱、ダイハツでは、乗用車の生産をはじめたものの、43年現在では依然としてその生産の過半をトラックがしめた。


こうした乗用車の爆発的な発展期をむかえても、日産ディーゼル、愛知機械は、乗用車に進出できずトラックの生産だけに終始して発展できなかった。


このような会社別にことなる乗用車部門への進出が、会社の経営格差をいっそう拡大させました。


中古車情報によると、会社別にことなるトラック、小型、軽乗用車、ニ・三輪車への対応、その生産台数の相違が、会社別にことなる売上高、さらに利益、社内留保額をうみ、それらの自己資本の蓄積が利潤、外部資金をよびおこし、さらに設備投資を可能とし、その生産格差を助長したのだそうです。


乗用車メーカーへ転換

トヨタ、日産を除くと三輪車から四輪車メーカーへ転換した東洋工業が、乗用車部門へ進出し、小型、軽四輪を生産して一挙に乗用車メーカーへ(39年の24・6%から43年57・7%)、また二輪車で寡占化段階に達した本田(39年23%から43年58・5%へ)、鈴木も(39年4・5%から43年49.9%へ)乗用車メーカーへ転換しはじめました。


中古車の情報によれば、軽乗用車のパイオニア、富士重工も、その生産台数の伸びは地味であったが、うち乗用車は39年の3割(35・0%)から46年6割(57・7%)に上昇し、乗用車メーカーといえるまでに成長したそうです。


これらはいずれも気筒容積1000㏄以下の小型、軽乗用車の生産についての話です。

乗用車メーカーへの転換を援助

中古車情報によりますと、各社が乗用車生産を開始した39年から43年にかけて、4割から6割、すなわち、トヨタ42・7%、日産48・4%から43年にはトヨタ60.1%、日産58・3%へ上昇ました。


日野、プリンスも早くから乗用車へ進出したが(39年日野45・1、プリンス52・3%)、それぞれトヨタ、日産と合併し、43年には日野はトラック・メーカーへ逆戻りしプリンスは消滅したから、結局、それらは乗用車生産の大部分(43年75・4%)をしめ、その乗用車生産設備を吸収したトヨタ、日産の乗用車メーカーへの転換を援助したにとどまりました。